2002年10月6日(日)「しんぶん赤旗」
市民、研究者、法律家などで構成する憲法調査会市民監視センターは五日、東京・文京区内で、シンポジウム「改憲へ走る憲法調査会」を開きました。
パネリストは、新垣勉・日弁連有事法制問題対策本部副本部長、山内敏弘・一橋大教授、同センター事務局の高田健氏の三氏。
新垣氏は、有事法案が(1)個人の尊厳よりも国家の利益優先(2)武力によって平和をまもる「武力優先」の思想―という二つの考え方で支えられていると指摘し、「憲法改悪を先取りしたものだ」と強調。
山内氏は、自衛隊法改悪案で「戦争に非協力の国民への罰則規定が盛り込まれる一方、国民の安全の確保については書かれていない」とのべ、「自衛隊の行動を最優先し、国民の自由、権利をないがしろにするものだ」と批判しました。
高田氏は、石破茂氏の防衛庁長官就任にふれながら、「今回の改造内閣は有事法制シフトだ」と警告しました。
「周辺事態法などができて、改憲はもう進んでいるのではないか」という参加者からの質問に対し、山内氏は「平和憲法が無傷できたとは思えないが、集団的自衛権行使を(日米両政府の意向通りに)完全にはできないなど、最後まで踏み越えられてはいない。有事法制がでてきた動機もそこにある。最後の一線を越えさせない努力をすることが重要だ」と強調しました。