2002年10月11日(金)「しんぶん赤旗」
|
日本共産党の小泉親司議員は十日の参院外交防衛委員会で、石破茂防衛庁長官の憲法観に重大な問題があると追及しました。
石破氏はこれまで、政府でさえ認めてこなかった徴兵制について「徴兵制は憲法違反だと言ってはばからない人がいますが、そんな議論は世界中どこにもない」(衆院憲法調査会、五月二十三日)などと、合憲論を展開してきました。
小泉氏は「日本国憲法は第九条で戦争放棄を高らかに宣言し、戦力不保持を明記している。その点で徴兵制は憲法上明確に否定されている」と強調し、石破氏が「合憲」と主張する理由は何かとただしました。
石破氏は「一議員としての見解を申し述べることは差し控える」として質問には答えず、「徴兵制度は憲法一三条(個人の尊重)、一八条(奴隷的拘束・苦役からの自由)などの規定の趣旨からみて許容されるものではないというのが政府の見解だ。小泉内閣の一員としてこの政府の見解に従うのが私の立場だ」と述べました。
小泉氏は、石破氏が防衛庁長官就任後のいまでもホームページで徴兵制を合憲とする文章を掲載(別項)していることを指摘。さらに、同氏が集団的自衛権の行使を解釈改憲によって認めるよう求めていた(別項)こともあげ、こうした主張をもつ防衛庁長官が「閣内に入るというのは大変な問題だ」と追及しました。
「『徴兵制度は奴隷的拘束であり苦役なので、わが国は憲法違反としています。…』などと得々として外国政府に言った場合、どのような反応が返ってくるか、…国家としての正当性自体が疑われることは必定であり、私はそんな場面を想像しただけで、あまりに恥ずかしくて日本人であることすらやめたくなる」(石破氏のホームページ)
「私が国会議員をやっている理由は二つある。一つは、集団的自衛権の行使は合憲であるということを確立したい。…『解釈改憲は危ない』と言う人がいるけれども、内閣総理大臣が『集団的自衛権の行使、それ自体は合憲です』と言って、『しかし、使うか使わないかはその時の政府の判断です』と言えばそれでいい」(二〇〇〇年十月二十五日、日本戦略研究フォーラム主催のシンポジウムで)