日本共産党

2002年10月12日(土)「しんぶん赤旗」

障害児を普通学級に通わせたいが…


 〈問い〉 障害児の親として、できれば子どもを普通学級に通わせたいと思いますが、この問題をどう考えますか。(埼玉・一読者)

 〈答え〉 この問題では多くのご家族が頭を悩ませておられることと思います。日本共産党は、就学先を決める場合には、その子の障害と発達の程度や、障害以外のさまざまな側面の実態などにもとづいて、現代科学や技術の成果を生かしつつ、その子の発達にとって一番適切な学校を保障すること、選択に際しては、本人・保護者や学校関係者の意思が尊重されるべきことを主張しています。

 障害をもつ子の就学先については、教育学、医学、心理学などの専門家からなる「就学指導委員会」から意見をきいたうえで、市町村の教育委員会が「就学基準」にもとづいて決めることとされ、この基準に該当しない子どもは小・中学校内の「特殊学級」または通常学級で指導するとされています。同時に今年の基準改正で、盲・ろう・養護学校に通うことが適当とされる障害程度の子どもも、教育委員会が、施設や指導体制がととのうなどの「特別の事情があると認める場合」は、普通学校に就学できるようになりました。

 普通学校・学級に通わせることを考えた場合、行政の支援がきわめて不十分な現状を考慮に入れる必要があります。障害をもつ子どもが学校に通うには、バリアフリー、介助員、多様な障害に応じた指導体制の確立など、発達と障害の状況に応じた条件整備が必要です。

 文部科学省は今年度、教育委員会への通知の中で、市町村の就学指導委員会が保護者に意見表明の機会を設け、専門家の意見をきく機会を提供することや、就学後も子どもの状態にあった教育を行うことなどをすすめています。市町村の教育委員会では就学のための手続きがまもなく始まりますが、学校の状況や専門家の意見などをよく聞いたうえで、子ども自身のニーズにあった教育を選べるよう本人・保護者の希望をきちんと伝えることが大切です。

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 〔2002・10・12(土)〕

 


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