2002年10月19日(土)「しんぶん赤旗」
小泉純一郎首相は十八日、臨時国会の開会にあたり、衆参本会議で所信表明演説を行いました。就任後一年半で経済を危機的状況に落ち込ませた小泉「構造改革」路線を引き続き進めることを宣言しました。
経済問題については「日本経済の再生」「デフレ克服」を掲げましたが、具体策はありませんでした。逆に、失業、倒産を激増させ、経済危機をいっそう深刻にする不良債権処理を「本格的に加速」するとのべました。
一方で、大銀行への公的資金投入を示唆したのをはじめ、大企業減税を念頭に置いた税制「改革」、規制緩和を促進する「構造改革特区」など大銀行、大企業優遇の政策を掲げました。
外交問題では、日朝国交正常化交渉の再開にふれ、拉致問題や工作船、ミサイル、核開発問題などの懸案に対し、交渉を通じて解決を図る意向を示しました。イラク問題についてはブッシュ米大統領に国際協調の重要性を伝えたとして、日本が「国際社会と協調しつつ外交努力を継続していく」とのべました。
先の通常国会で継続審議となった有事法制、「個人情報保護」法案については「優先的にとりくみ、成立を期す」と表明しました。