2002年10月29日(火)「しんぶん赤旗」
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日本共産党国会議員団の干潟・湿地チーム(責任者=岩佐恵美参院議員)は二十八日、日本各地の干潟の深刻な破壊をくいとめ、その保全、復元をはかることが急務だとして、「干潟等の保全及び復元の推進に関する法律案」大綱を発表しました。
干潟は、海の環境を浄化し、多様な生物をはぐくむとともに、渡り鳥の中継地としてその保全が国際的責務にもなっています。二十世紀の後半に日本の沿岸では、開発によって約四割もの干潟が喪失。ところが小泉内閣は諌早干拓事業や沖縄本島最大の泡瀬干潟の埋め立てなどを強行しようとしています。
このため同法案は、▽埋め立て、浚渫(しゅんせつ)、大規模な工作物新設を原則禁止、一定規模以上のすべての干潟・浅海域を現状のまま保全、その機能の維持、回復、復元をはかる▽同法に基づく規制を住民が知事に求めることができるなど、計画段階から住民やNGOの参加を保障する▽干潟埋め立ての知事の特別許可は環境大臣の承認を要する――などを内容としています。
環境省で記者会見した岩佐氏は、「今後は環境保護団体などに大綱の中身を説明し、懇談していきたい。また、各党とも話し合い、通常国会に向けて法制化していきたい」と述べました。
会見には岩佐氏のほか、藤木洋子、赤嶺政賢両衆院議員と八田ひろ子参院議員が出席しました。