日本共産党

2002年10月31日(木)「しんぶん赤旗」

不良債権処理

公的資金投入で加速

政府が「総合対応策」決定


図

 経済財政諮問会議(議長・小泉純一郎首相)は三十日、「改革加速のための総合対応策」(「総合デフレ対策」)を決定しました。小泉首相がブッシュ米大統領に公約した「不良債権最終処理の加速」の具体化で、公的資金の投入をテコにした大銀行救済とアメリカ流の不良債権処理基準の導入がねらいです。

 対応策の柱は、(1)金融・産業の再生(2)「構造改革」加速策(3)「セーフティネット(安全網)」の拡充。不良債権最終処理の加速策が本体で、それが生み出す倒産や失業による経済・景気の悪化を糊塗(こと)するために雇用、中小企業対策を付け加えています。

 処理加速策では、銀行の資産査定を格段にきびしくするほか、繰り延べ税金資産(将来戻ってくると予想される税金)評価の厳格化と同資産の自己資本への算入限度を「速やかに検討」すると明記。アメリカの基準導入を決めました。また、銀行側が要求した自己資本充実のための繰り戻し還付金制度の凍結解除や無税償却制度の拡大も盛り込みました。

 その上で、経営困難に陥った金融機関には政府・日銀が一体で対応し、必要な場合は「速やかに公的資金を投入」するとしています。

 雇用、中小企業対策については、処理加速で貸しはがしの深刻化や失業者を出すことを前提に、「離職者支援制度の拡充」や「信用保証の拡充」などの施策を盛り込んでいます。

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp