日本共産党

2002年11月3日(日)「しんぶん赤旗」

国際人権規約の委員会「最終見解」とは?


 〈問い〉 日本の人権状況に意見をのべている、国際人権規約の委員会「最終見解」とは、どういうものですか。 (東京・一読者)

 〈答え〉 国際人権規約の自由権規約と社会権規約は、いずれも「権利の実現のためにとった措置及びこれらの権利」の実現・享受「についてもたらされた進歩に関する報告」の提出を、規約に参加する締約国政府に義務づけています。

 政府報告は規約ごとに設立された委員会が審査します。報告国の人権状況の評価などを示す委員会の「最終見解」は、一九九〇年代から始まりました。最終見解は締約国の法的責任を問うものではなく、各国政府に国内政策などのより深い検討を促すものです。

 自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)の委員会は「規約人権委員会」などと呼ばれ、七七年に発足しました。規約参加国の会合で十八人の委員が選出されます。規約は委員会が個別の国の状況に見解を述べることは規定していませんが、八〇年代から、審査の最終段階で委員が最終見解を表明するようになり、九二年の決定で、委員会全体の最終見解も採択することになりました。

 社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する規約)の委員会は、「社会権規約委員会」などと呼ばれ、一九八五年に設立されました。規約参加国が指名したリストから国連・経済社会理事会が十八人の委員を選出します。早くから最終見解を採択しています。

 報告審査は、委員会側の質問と政府側の回答のやり取りで行われます。委員会は国際専門機関の協力やNGO(非政府組織)のカウンター・リポートなどから、情報を補っています。

 日本政府報告の審査では、警察による日本共産党の緒方靖夫国際部長(事件当時)宅盗聴事件や、過労死を生む長時間労働、女性の昇給・昇格差別など、おくれた人権状況が浮き彫りになりました。一連の最終見解で厳しい「懸念」や「勧告」が表明されています。

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 〔2002・11・3(日)〕

 


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