2002年11月8日(金)「しんぶん赤旗」
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七日の衆院本会議で、ペイオフ解禁を二年間延期するための「預金保険法改正案」など金融三法案が審議入りしました。ペイオフとは、預金などの払い戻し保証額を元本一千万円以下とその利息までとする措置。
質問にたった日本共産党の佐々木憲昭議員は、最終需要を拡大せずに不良債権処理をやれば、処理しても処理しても残高が増えるばかりと指摘。小泉内閣は四つの内閣で一番不良債権を増やしたと批判しました。
そのうえでぺイオフ解禁について「深刻な不況と信用不安のもとで、条件がないことは明白」とのべる一方、今回の延期措置は「機械的に二年間と期限を切っているのはきわめて乱暴であり無責任」と指摘。「不良債権処理の加速による企業つぶし、金融機関の淘汰(とうた)・再編の方針と結びつけて出されている」と強調しました。
小泉首相は、「不良債権処理の加速をはかるためには、金融システムの安定と中小企業金融など円滑化に配慮することが必要」と指摘を認めました。
金融三法案の一つ、「金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法」は、地域金融機関へ「収益力強化」を求め、合併によって地域金融機関の整理・淘汰・再編を促すものです。
佐々木氏は「地域金融機関にたいして中小企業支援よりも収益力の強化を求めることは、不況で苦しんでいる中小企業の経営難に追い打ちをかけるもの。地域金融機関の経営基盤を掘り崩し、地域の金融システムそのものを弱体化させる」と批判しました。
さらに合併などによって金融機関の自己資本比率が低下した場合、公的資金が投入される仕組みになっていると指摘。「地域金融の機能を弱体化させながら、税金投入の仕組みをつくることは到底認められない」と強調しました。