2002年11月14日(木)「しんぶん赤旗」
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“不良債権処理をすれば必要なところに資金が回る”という小泉「構造改革」論は空論――。十三日に開かれた衆院財務金融委員会で日本共産党の佐々木憲昭議員が質問し、「不良債権処理をしなければ、成長分野に資金が移動しない」という竹中平蔵金融・経済財政担当相の言い分に根拠がないことを明らかにしました。
佐々木氏は、不良債権を処理しても融資が大幅に減っている新生銀行の例を紹介しました。同行は一時国有化した長銀を政府が巨額の税金を使って不良債権を処分し外資が買った銀行。国内向けの貸し出しは、二〇〇二年三月末は四兆八千億円で、二〇〇〇年三月末の七兆五千億円に比べ二兆七千億円も減少しました。
この事実をつきつけられた竹中氏は「(新生銀行は)新しいビジネスモデルを模索し移行している途上である」と答弁。貸し出しが減少する要因が不良債権ではなく「銀行の姿勢の問題」であることを認めました。
佐々木氏は「ビジネスモデルを理由に各銀行が不良債権を処理しても貸し出しを縮小することはある。やるべきは中小企業に資金が回るように銀行の行動を是正していくことだ」と強調しました。
竹中氏は「その限りでは、まったくその通り」と認めながら、「(佐々木氏と)違う点は銀行の姿勢を変えさせるためには不良債権を取り除くことだ」として不良債権処理の加速にあくまで固執する姿勢を示しました。