日本共産党

2002年11月14日(木)「しんぶん赤旗」

公権力の侵害に無力

人権擁護法案の参考人質疑

「救済は独立機関で」

参院法務委


 「人権擁護法案」の参考人質疑が十二日、参院法務委員会で開かれ、人権救済機関の人権委員会が法務省の外局として設置されることについて、根本的欠陥を指摘する意見が出されました。藤原精吾・日弁連国内人権機関に関するワーキンググループ座長は「刑務所内などの人権擁護に敵対的態度をとっている法務省から独立した機関でないと公権力による人権侵害は救済できない」と指摘しました。

 与党が検討している報道・取材活動規制条項の凍結論にも「凍結でなく削除を。報道被害まで救済機関に委ねている国はない」(山崎公士人権フォーラム21事務局長・新潟大学教授)などと反対意見が出されました。

 日本共産党の井上哲士議員は、名古屋刑務所の暴行事件にふれて、独立した救済機関の必要性や雇用における差別救済を一般行政に委ねている問題点を質問。藤原参考人は「独立した委員会があれば(刑務所内の人権侵害も)調査し適切な救済ができる」「(雇用差別を扱わないことは)人権委員会の大きな機能が損なわれる」とのべました。

 井上氏は、差別的言動についても規制対象としていることについて「何が差別なのか運用によって言論・表現の自由に介入する恐れが強い」と指摘。藤原氏は「同じ考えだ。言論に公権力は可能な限り謙抑的で、構成要件が明確でないといけない」とのべました。

 


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