日本共産党

2002年11月16日(土)「しんぶん赤旗」

米先制攻撃に強い批判

イラク問題参考人質疑

“19世紀に逆戻りする”

衆院委


 衆院外務委員会は十五日、イラク問題で参考人質疑をおこないました。三人の参考人からは、米国単独のイラク先制攻撃に強い批判、懸念が示されました。

 松井芳郎・名古屋大教授は、二十世紀の戦争違法化の流れは、武力行使や武力による威嚇を明確に禁止した国連体制で、一つのクライマックスを迎えたと説明しました。その国連も例外的に(1)自衛権の発動、(2)国連による集団安保の強制措置の場合、武力行使を認めていると指摘。「自衛権の発動」は自国への武力攻撃が発生した場合のみで、「攻撃のおそれ」という主観的な判断での発動は不可能だというのが一般的な理解だとのべました。

 また、国連安保理決議一四四一ではイラクに大量破壊兵器の廃棄義務を課しているが、「仮にイラクが義務違反をしても、それ自体は武力行使に該当せず、自衛権発動の理由にはならない」と強調しました。

 松井氏は、国連加盟国の圧倒的多数は国連安保理が役割を果たすべきだと考えており、いかなる場合でも米国の一方的武力行使は認められないと主張。決議一四四一でも、イラクが違反をおこなった場合の対応は、安保理で協議されると定められていることをあげました。仮に米国の一方的武力行使が認められれば、「十九世紀的な、ジャングルの法則が支配する世界に逆戻りする」と強く警告しました。

 大野元裕・ゼネラルサービス取締役統括本部長は、米国がイラク攻撃をおこなえば「アラブ社会での反米感情はいっそう強まり、パレスチナ以外でも自爆テロが発生するなど、中東の不安定さが増すだろう」と危ぐを表明しました。

 水口章・中東調査会上席研究員は「フセイン政権は国際社会に対する重大な脅威」との見解を示しつつ、米国による単独攻撃を許してしまえば、あらゆる分野で米国の一国主義が強まり、国際協調システムが崩壊してしまうと指摘しました。

 日本共産党からは松本善明議員が質問に立ちました。

 


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