日本共産党

2002年11月16日(土)「しんぶん赤旗」

石播が思想差別名簿

公安と情報交換 労働者ランク分け

厚労省が調査約束

小沢議員追及


 石川島播磨重工業(本社・東京)が社内の共産党員や支持者などのリストとして「ZC(ゼロ・コミュニスト)計画管理名簿」を作成、思想による昇給・昇格差別をしていたことが十五日の衆院厚生労働委員会で追及され、厚生労働省は具体的な事実について調査を約束しました。日本共産党の小沢和秋衆院議員が、憲法、労働基準法に違反する重大な事態だとして厳しく追及したのにたいし、答えたものです。


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「厳秘」扱いとなっている各事業所の「ZC計画管理名簿」と「若手人勤マン教育(ZC・リスクマネジメント)スケジュール」

 「ZC名簿」は、同社の人事部労働管理グループ(地方事業所では労働福祉グループ)が警察・公安と日常的に対象者の情報を交換して作成したもの。労働者の正当な活動も企業批判者などと敵視し、「管理名簿」を作成。労働者をA、B、C、Dにランク分けしています。

 企業側はこれらの労働者の身辺を調査し、リスト「備考」欄には、「妻 党員 市議」といった思想・信条にかかわる内容から「腎炎」「癌(がん)」などの病名まで記入。また、「若手人勤マン教育(ZC・リスクマネジメント)スケジュール」と題する文書には、日本共産党を意味する隠語である「○」という記号を使い、「○系従業員の動向」などを会社幹部が講義していることがしるされています。いずれの文書も「厳秘」扱い。

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質問をする小沢衆院議員=15日、衆院厚生労働委

 関連文書には「警察公安との連絡を行っているか」などという記述もあります。

 会社の行為は、思想・信条の自由、プライバシーなど憲法にさだめられた基本的人権を侵し、「労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取扱をしてはならない」とする労働基準法第三条に違反するものです。

 小沢議員は、共産党員や支持者等の思想・昇給・昇格差別は東京、関西、中部の各電力会社の不当差別裁判で憲法や労働基準法に照らして違法との判決が出ていると指摘。

 「石播の『ZC名簿』は、インド洋に派遣している艦船修理などの軍事協力に『もの言えぬ職場』をつくることと一体になっており、明白な組織的・継続的違法行為だ」と厳しく批判しました。

 厚生労働省の松崎朗労働基準局長は、労基法違反について「具体的な事実、証拠を示していただければ調査する」と答弁。坂口力厚生労働相も、「そのとおりにしたい」と答えました。

 


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