2002年11月21日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の木島日出夫議員は二十日の衆院法務委員会で、名古屋刑務所での刑務官による暴行事件について質問。刑務官五人に革手錠で腹部を締められ重傷を負った受刑者が、名古屋弁護士会に人権救済を申し立てたことが分かった後に続けて保護房に入れられ、申し立ての取り下げを迫られていたことを明らかにしました。
木島氏は、名古屋弁護士会が受刑者の申し立て(四月)を受けて名古屋刑務所に文書を送ったのが九月八日で、その後の十二日、十三日、十七日、十八日、十九日の五回、保護房に入れられたと指摘。十九日に刑務官に申し立てを取り下げるよう言われ、受刑者は精神的身体的に追いつめられていたため、いったん取り下げに同意したのではないかと追及しました。
また、法務省通達では保護房に収容されている人に革手錠などの戒具を使う要件が「逃走、暴行、自殺を抑止できないと認められる場合」に限定されていることを指摘。受刑者が革手錠で重傷を負った九月二十五日の場合は何に該当するのかと質問しました。
法務省の中井憲治矯正局長は「『暴行等』に該当する」と答えたため、木島氏は、保護房収容者への革手錠使用が違法との判決を示し、「許されない事件であり引き続き法務省の責任をただす必要がある」とのべました。