2002年11月22日(金)「しんぶん赤旗」
「これ以上手当を減らされたら、どうやって子どもを育てていけばいいのですか」。母子寡婦福祉法等改悪案の参考人質疑がおこなわれた二十一日午前の参院厚生労働委員会。母子家庭の窮状を訴える発言に傍聴席からすすり泣く声が。参考人からは改悪案の見直しを求める声が相次ぎました。
母子家庭で十年近く子育てしてきた参考人の小山田智枝さんは、百社あまりの面接を受けてようやく就職できた会社で、不況のため春から賃金カット。さらに政府の改悪で八月分から手当額が月一万二千円に減りました。「必死に働いて必死に子育てをしているのに、五年後にさらに手当が減らされたら、どうやって子どもを進学させたらいいのでしょう」と、声をつまらせながら改悪案の見直しを訴えました。法案を評価する山崎美貴子明治学院大学教授も「五年後の一部支給停止は大変厳しい側面をもっている」ときめ細かな配慮を求めました。
政府が「自立支援」を強調していることについては「まず児童扶養手当を削減するというのは本末転倒。必死に仕事を探しても母親の安定就労は難しい。法案成立を急ぐのではなく、実態にそくした施策を」(神戸学院大学・神原文子教授)の意見が出ました。