2002年11月29日(金)「しんぶん赤旗」
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日本国民の税金が米国の投資会社(ファンド)の“広告代金”になっている――。日本共産党の大門実紀史議員が二十八日の参院財政金融委員会で、大企業向けの政府系金融機関である日本政策投資銀行が米投資会社のカーライル・ジャパンに四十億円出資していることを取り上げました。
小泉政権は、昨年度の補正予算で「企業再生ファンド」への出資を決定。特別会計から五百億円を出し、日本政策投資銀行の内部資金五百億円を合わせて一千億円の出資枠を設定しました。これまで九つのファンドに出資していますが一部を除き各ファンドへの出資額は明らかにしていません。カーライル・ジャパンへの出資決定は、六月に訪日した同社相談役のブッシュ米元大統領と小村武総裁との会合の三カ月後でした。
ところが、カーライルの主な業務は企業再生ではなく企業買収やベンチャー投資。軍事産業にも出資し、ベーカー元財務長官や元国防長官も相談役に名をつらねています。
出資を求めるファンドが内外から五十もある中で日本政策投資銀行がカーライルに出資した理由について大門氏は、「投資ファンドは、日本政策投資銀行の出資というお墨付きがほしいと殺到している。日本政策投資銀行の出資はファンドにとって広告塔だ。元大統領から要請があったのでは」と指摘しました。
小村武総裁は、ブッシュ元大統領から具体的な話はなかったと否定。その上で、「投資判断、融資判断において審査能力があると国内外の金融機関から信頼をされている。私どもが参加するというのは、それだけの意味がある」と、お墨付きを与えるものであることを認めました。