2002年11月29日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の紙智子議員は二十八日の参院農水委員会で、不良債権処理の徹底により進む負債農家への貸し渋り、貸しはがしの是正を求めました。
紙氏は、「不良債権といっても農漁業の場合、自然のリスク、BSE、輸入急増など政治災害というべき外部の不可避的要因が大きい」と指摘。金融庁が定めた「金融検査マニュアル農林漁業者・中小企業融資編」では、一般の金融検査マニュアルの機械的・画一的な適用でなく、農林漁業者の実態を把握するよう求めていることをあげ、貸し出した単位農協などの自己査定を尊重するよう求めました。田原文夫官房長は「実態を踏まえた検査を行うよう指導している」と答えました。
紙氏は、北海道のある農協では、農家からの二十五件の負債整理資金の申請にたいし、一次審査を通ったのはわずか十一件にすぎないと指摘。「輸入や不況という失政の結果、借金が増え、その返済のため資金を借りようにも借りられないこの矛盾をなくすべきだ」と迫りました。
川村秀三郎経営局長は負債整理資金の申請について、「個人の状況をよくみて、(破たん先だからといって)画一的に排除はしない」と答えました。
紙氏は、軽種馬生産農家の苦境も訴え、大島理森農水相は「生産地に(関係者を)派遣して実態調査し、対策を検討していきたい」と答えました。