2002年12月2日(月)「しんぶん赤旗」
雨まじり底冷えとなった一日、東京・代々木公園で開かれた「STOP! 有事法制12・1大集会」。会場には、思い思いのプラカードや横断幕、ゼッケンをつけた二万五千人の平和への願いがあふれました。
「許さない笑顔をこわす有事法」「やっちゃダメ! イラク攻撃核使用」。組合員がつくった川柳をプラカードにして参加した全国福祉保育労働組合東京地方本部の人たちは、ロックバンド「GOD BREATH」の核兵器なくせの歌にあわせ、大きな折りづるを振ってこたえます。
東京高校生平和ゼミナールを代表して井上由香(ゆかり)さん=高校三年生=が舞台からアピール。「なぜ、有事法制で日本をふたたび戦争できる国にしようとするのか、ずっとナゾに思っています。戦争体験者の『つらい思いは私たちで最後に』との思いに、私たちはこたえる責任がある。有事法制は廃案に」と語り、大きな拍手を受けました。
舞台をじっと見つめていた大阪の西淀川・淀川健康友の会の増田優子さん(26)は、「国連決議を無視してイラク攻撃をしたがっているアメリカ。そんな国の戦争に協力する有事法制はいや。未来の子どもたちから、『なんで反対せんかったんや』って言われたくない」と、こぶしをぎゅっと握りしめました。
「有事法制を廃案にしたくて、インターネットで調べて新婦人に入りました」というのは新日本婦人の会横浜泉支部の川崎裕美さん(23)。「人を殺す戦争に、どんな形でも協力したくない。そういう思いが踏みにじられて、強制的に戦争に協力させられるのは耐えられない。地域で署名を集めたい」と語っていました。
「ピースウォーク京都」は1日、イラクへの核査察が始まるなか、120人が京都市の四条通り、河原町通りを歩き、「イラクの人たちを殺さないで」とアピールしました。ウオークに先立つリレートークには、哲学者の鶴見俊輔さんが参加。「何百年も続けるつもりでやっていこう」とあいさつ、参加者を激励し、見送りました。
参加者は、戦闘のもようを描いたパレスチナの子どもの絵、イラクの子どもたちの写真などを掲げ、沿道の人たちに一緒に歩きましょうと呼びかけました。三線(さんしん)を演奏して歩いた倉沢信貴さん(19)=大学生=は「日本がアメリカを支援することで、命を奪っていくと思うと胸が苦しい」と話しました。初参加という林久美子さん(19)=大学生=は「なにかしないと、と思っていました。イラク攻撃には反対です」と語りました。