2002年12月4日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の緒方靖夫議員は三日の参院経済産業委員会で、新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)の開発関連事業をとりあげ、NEDOから補助金を受けた企業による人件費不正請求事件をただしました。
NEDOはIT(情報技術)や環境など先端技術の研究開発事業を実施しますが、事業の委託先はほとんどが大企業で、研究成果の特許権なども企業側が所有します。
緒方氏は、経産省の技術開発予算のほぼ半分(平均二千五百億円)がNEDOに使われ、超先端電子技術開発促進事業では七年間に約四百億円が主に大企業への補助金に支出されたと指摘。中小企業の技術開発予算は全体の2%以下にすぎず、大企業には至れり尽くせりだと批判しました。
緒方氏は、東芝が人件費を水増し請求した証拠となる業務従事日誌のコピーなどを示し、東芝側は不正受給が発覚(一九九六年)後もNEDOに報告せず、二〇〇一年十二月まで五年半もの間隠ぺいしていたと批判しました。
また、「国民の税金である補助金を不正受給しただけでなく、隠ぺいしようとした行為は悪質だ」として、東芝事件を含め業務委託先の大企業が補助金を適正に処理しているかどうか徹底した調査を要求しました。
平沼赳夫経産相は「事件は非常に遺憾で言語道断。しっかり調査したい」と答弁しました。