2002年12月10日(火)「しんぶん赤旗」
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ハンナンの偽装手口 内部告発者語る/産地不明の箱に高級牛肉証明書/大量コピーしペタペタ
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食肉業界大手のハンナングループ企業が、BSE(牛海綿状脳症)の検査済み証明書を大量にコピーするなどして、牛肉の産地偽装をおこなっていたことが明らかになりました。九日の参院決算委員会で日本共産党の大沢たつみ議員が、内部告発などをもとに追及したもので、大島農水相は、事実関係について「精査、分析したい」とのべ、調査を約束しました。
産地偽装をしていたのは、牛肉卸売りの「ハンナン食肉」(大阪府羽曳野市)。同社は、百貨店などで高級肉を販売している「サノチュー」に肉を卸していて、社長の浅田暁氏は、ハンナングループを率いる浅田満氏の実弟です。
党調査団が得た同社関係者の証言によると、産地偽装がやられるようになったのはBSE全頭検査が開始された直後の昨年十月下旬からでした。
検査済み証明書に産地が記入されていることを利用して、高級牛肉とされる産地の証明書を五十枚、六十枚とコピー。そのコピーを産地不明の食肉の出荷箱に張りつけ、出荷していたのです。他社から納入された出荷箱の場合、もともとついていた産地表示のシールをはがして、コピーした証明書に張り替えたこともあった、といいます。
大沢議員は、食肉のロット番号(牛肉の倉庫での保管単位)は同一なのに、十勝産と佐賀産と二つの産地が記名されている二枚の納品書を提示。「告発者も、ロット番号で産地は判別できないといっているのに、なぜ二つの産地になっているのか、これはJAS(日本農林規格)法違反にも値する」と指摘し、告発者の聞き取りも含めての調査を要求しました。
ハンナングループをひきいる浅田満氏は、大阪府同和食肉事業協同組合連合会の会長です。