2002年12月11日(水)「しんぶん赤旗」
自民、公明、保守の与党三党は十日、衆院有事法制特別委員会の鳩山邦夫委員長に、武力攻撃事態法案など有事三法案の「修正」案を提出しました。次期通常国会での成立をにらみ、「修正」案が提出されたことで有事法案をめぐる攻防は新たな段階を迎えました。
「修正」案は、武力攻撃事態法案が発動される「武力攻撃事態」の定義を変更し、これまで「予測」「おそれ」「発生」の三段階を含んでいた同事態を「武力攻撃事態」と新設の「武力攻撃予測事態」に分けました。
また、テロや不審船対処を明記、「国民保護」の名目で国民生活を統制する法制の整備を推進する「整備本部」の設置を主な柱としています。
法案の根幹概念の定義を変更するという法案の“欠陥”ぶりを、与党みずから認めた形です。武力攻撃が「予測」される時点でも法案が発動され、海外での自衛隊の武力行使に道を開き、国民を総動員するという危険な本質は何も変わりません。
与党側は十一日か十二日に委員会を開き、「修正」案の趣旨説明と質疑をおこなう構えです。
日本共産党は十日の衆院有事法制特別委員会理事懇談会で廃案を主張し、趣旨説明も認められないと反対しました。
与党三党は、五日の党首会談で有事三法案について「次期通常国会で必ず成立させる」ことで合意しており、「修正」案の趣旨説明までおこない、いつでも採決できる態勢を狙っています。