2002年12月11日(水)「しんぶん赤旗」
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構造改革特区法案が十日の参院内閣委員会で自民、公明、民主などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。反対討論で吉川春子議員は、農業や特養老人ホームに株式会社参入を認め、「カジノ特区」まで検討するなど、「特区」を突破口に国民生活に必要な規制まで緩和・撤廃することは認められないとのべました。
国交省が「特区」を支える基盤整備に二千五百億円を予算要求するなど新たな公共事業の浪費を生み、地方財政を深刻にすると指摘しました。
経済疲弊の要因は規制緩和の遅れではなく、不良債権処理の「加速」で倒産と失業を増大させる小泉「構造改革」そのものにあると強調。国民生活や中小企業を守る民主的ルールの確立こそ求められるとのべました。
採決に先立つ質疑で吉川議員は、「特区」による規制緩和が国民生活にもたらす影響について、二月から需給調整が廃止されたタクシー運転手の労働実態をとりあげました。今でも過剰なのに全国で五千台以上が増車され、賃金低下や長時間労働をもたらしていると指摘。労働基準局長通達違反の「累進歩合制(賃金)」が横行していることをあげて、「すべてを市場原理にゆだねる規制緩和万能主義が労働条件を悪化させ、タクシーの公共性、安全輸送を脅かしている」とのべました。
小泉首相は「規制緩和でいい面としわ寄せされる面をどうするか労使で考えていくべき問題」としたうえで、「法違反がないよう監督に努めていきたい」と答えました。