2002年12月11日(水)「しんぶん赤旗」
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十日の参院経済産業委員会で、電気事業法・原子炉等規制法「改正」案と独立行政法人原子力安全基盤機構法案の採決が行われ、与党や民主党などの賛成多数で可決されました。
日本共産党の西山とき子議員は反対討論に立ち、東京電力などの原発の損傷隠ぺいや偽装などの事件解明が不十分のままでは実効ある再発防止策が取れないと指摘。いわゆる「維持基準」導入では不正防止につながらず、軽微な損傷でも報告の義務づけや透明性の確保などが求められるとのべました。
採決に先立つ質問で西山氏は、一連の不正事件をふまえ、原子炉を支えるシュラウド(炉心隔壁)の定期検査の際にひび割れの兆候(インディケーション)が見つかっても、国に報告するしくみになっていないことを批判。原発の建設時にはシュラウドの交換が想定されておらず、NRC(アメリカ原子力規制委員会)から問題の指摘があったのに政府は対応しなかったため、点検や報告が事業者任せになっていた点を指摘しました。
また、西山氏が九月に調査した敦賀原発で、定期検査の際にシュラウドにひび割れの兆候が発見されても国に報告せず、交換した古いシュラウドを調べず廃棄したことを告発したのに対し、原子力安全・保安院の佐々木宜彦院長が「インディケーションがあったことは知らなかった」と答弁。西山氏は「シュラウド交換は費用百億円、一年以上の期間がかかる大事業だ。報告を求めるのが当然だ。国の監督能力が問われる」と批判し、シュラウドを国の定期検査の対象にすべきだと主張しました。