2002年12月12日(木)「しんぶん赤旗」
日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会の四団体は十一日、サラリーマン本人の医療費自己負担割合の三割への引き上げ凍結などを求める共同声明を発表しました。
自民、公明などが強行した医療改悪で、十月から先行実施されたお年よりの医療費の自己負担増により、治療を中断したり、薬を減らすなどの事態が全国の医療機関で相次いでおり、深刻な影響が出ています。このうえ三割負担が実施されれば、「国民皆保険制度を根底から崩壊させる」(声明)との危機意識が医療関係者に広がっています。
日本医師会など四団体は、広報活動や国会議員への働きかけなどを通じ、声明内容を実現するため「国民運動を展開する」としています。四団体の構成員は合わせて約八十三万人になります。
声明全文は次のとおり。
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現在、政府においては、本格的な少子高齢化社会に対応する医療制度の構築に向けて、聖域なき構造改革を断行している。
改革の柱は、患者及び国民の負担増、医療への株式会社参入、混合診療の導入等であり、財政対策と市場原理の考え方に終始している。
しかし、これらの政策は国民の健康に対する国の責任を放棄し、国民皆保険制度を根底から崩壊させるものである。
よって、われわれ四師会は、国民誰もが安心してよりよい医療をうけられるために、次の項目について連携して国民運動を展開する。
一、被用者保険三割自己負担の実施凍結
一、高齢者の自己負担軽減
一、医療への株式会社参入阻止
一、混合診療の導入反対
混合診療 診療のさい、保険で受けられるものと、費用の全額患者負担の部分を組み合わせるもの。