2002年12月12日(木)「しんぶん赤旗」
不良債権処理加速策と一体となったペイオフ解禁を二年間延期する預金保険法「改正」、および、地域金融機関の組織再編特別措置法が十一日の参院本会議で与党の賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、民主党などは反対しました。
反対討論にたった日本共産党の池田幹幸議員は二法が「不良債権処理の加速」と「産業再生」を一体として取り組むとした「総合デフレ対策」に位置付けられていると指摘。不良債権処理の加速について「中小企業の倒産と失業の増大を招く」と批判しました。政府が打ち出した「産業再生機構」について「機構が企業の生き死にを判断し、再生させるとしているが、いったい客観的な判断基準をつくれるのか、政府は何も答えられない」とし、「『総合デフレ対策』の結果がみじめなものになることは、スタートラインにつく前から明らかだ」と強調しました。
池田氏は預金保険法「改正」について「深刻な不況と信用不安のもとでペイオフを実施できる条件はない」と強調する一方、「不良債権の処理を加速しながらペイオフの解禁の期限をきることは、預金者の不安を増大させる。預金全額保護措置の解除は、個人消費を中心とする需要の拡大による景気回復を大前提とすべきである」と強調しました。
収益力強化を目的とした合併・再編を促す地域金融機関の組織再編特別措置法については、「店舗削減やリストラによって不況で苦しむ中小企業に追い打ちをかけることになる」と指摘しました。