2002年12月19日(木)「しんぶん赤旗」
<問い> NPO法が改正されたようですが、どんな点が変わりましたか。(神奈川・一読者)
<答え> 民間非営利団体(NPO)が簡単に法人格を取得できるようにする、特定非営利活動促進法(NPO法)が一九九八年十二月に施行され、四年が経過しました。NPO法人は約九千団体に達し、毎月三百団体ほどが新たに認証され法人格を取得しています。NPO関係者は活動分野の拡大や手続きの簡素化を求め、日本共産党も活動分野の拡大などをもりこんだ改正案を昨年の通常国会に提出し、実現に努力してきました。
今年十二月に全会一致成立したNPO法改正は、NPO法人の活動分野の拡大や、設立申請手続きの簡素化などを内容としています。拡大される活動分野は、従来の十二項目に▽情報化社会の発展▽科学技術振興▽経済活動の活性化▽職業能力の開発や雇用機会の拡充▽消費者の保護―の五項目が追加されました。設立・合併申請も簡素化され、設立者名簿や設立当初の財産目録・設立当初の事業年度記載書面の添付も不要となりました。来年五月に施行されます。
他方、昨年十月から政府のNPO優遇税制もはじまりましたが、寄付金が総収入の三分の一以上、複数の市町村で活動するなどの認定要件があまりに厳しく、わずか十団体しか認められていません。日本共産党など野党四党は、認定要件を緩和し、事業収入(劇団の入場料など)から本来事業に充てた額の二分の一を損金算入できる「みなし寄付金」制度を導入する税制改正案を、共同提案しています。支援税制の要件緩和を求めるNPO関係者の運動を背景に、与党三党は来年度税制改正大綱で認定要件の緩和や「みなし寄付金」制度の導入などを盛り込みました。
財政基盤の弱いNPOの活動を支えるために、多くのNPO法人が活用できる支援税制を、ぜひとも実現すべきです。
(博)
〔2002・12・19(木)〕