2003年1月1日(水)「しんぶん赤旗」
日本経団連(奥田碩会長)は一日、二〇二五年を展望した「活力と魅力溢(あふ)れる日本をめざして」と題する長期ビジョン(奥田ビジョン)を発表しました。少子化・高齢化を乗り切るためとして、消費税率の現行5%から16%までの引き上げや、外国人の受け入れ拡大を提唱。「州制」導入も求めました。
また、日本経団連が主張する「改革」を実現させるため、「政治と新たな協力関係を確立する」と強調。与野党の政策と実績を評価した指針を作成したうえで、政治献金への関与を強化する方向性を打ち出しました。カネで政治を動かすことへの露骨な表明です。
ビジョンは社会保障制度を「改革」する柱として、消費税率引き上げによる財源確保の必要性を主張。〇四年度から一四年度まで毎年税率を1%ずつ段階的に引き上げ、16%とすることを提示しました。社会保障での企業負担軽減が狙い。低所得者ほど負担が重い消費税の税率引き上げで、福祉破壊をいっそう進めることになる提案です。
人口減少に伴う就業者減を補うため、外国人を永住も含め「これまでにない分野でも受け入れる」ことも訴えています。また、行政権限を国から地方に移管し、全国を五―十ブロックの州に分けることを提案。これにより「国会議員の定数削減も可能」としています。