2003年1月4日(土)「しんぶん赤旗」
ストップ! イラク攻撃、許すな! 有事法制―。アメリカのイラク攻撃反対の声とともに、有事法制に反対する署名が広がっています。近く開会の通常国会での法案の採決も懸念され、「有事法制は許さない!運動推進連絡センター」は「世論と運動を強め、廃案に追い込みたい」と新たな決意で運動を強めています。
「連絡センター」によると、署名は四百六十万人(昨年十二月末)を超え、五百万人まであと一息。目を引くのが全国商工団体連合会の約五十一万人と新日本婦人の会の約四十三万人で、この二団体で百万人突破の勢い。全日本民主医療機関連合会の三十二万人を加えるとこの三団体で全署名数の三割近くを占めます。
新婦人は「有事法制NO」「STOP!有事法制」「憲法まもれ」とアピールするTシャツ(中央本部)やワッペン(京都)、リボン(埼玉、大阪)、しおり(静岡)など創意を生かした「平和グッズ」を作って活用。宣伝や署名推進に弾みをつけています。
なかでも「有事法案を分かりやすく」と工夫した手作り紙芝居は、「有事って何?」という人たちに理解を広げるうえで威力を発揮。「国民が戦争に協力させられる法律なのね。それなら反対」といって署名するなど、学習や宣伝に活躍しています。
ビラや署名用紙をポストに入れ、後でハンドマイクで宣伝しながら訪問・対話する「ポストイン活動」も活発です。「息子や孫を戦争に送りたくないといって署名」(東京・武蔵村山)、「地域だと顔見知りがいて対話になり、署名が広がる」(各地)など好評です。
新婦人の小島妙子平和部長は「まず自分が署名し、家族、そして“人の集まる所どこへでも”とスーパーや駅前、公園などで宣伝しています。創意、工夫をこらし、会員さんも楽しんでやっています。“平和の新婦人”ですから」と話します。
「委員会傍聴や議員要請など国会と結んでいるのも特徴です」と小島さん。「神奈川デー」「埼玉デー」などと名づけ、署名を提出し、地元選出の国会議員に要請するとりくみは「私の署名が生きているのね」などと感動をよんでいます。
「平和でこそ商売繁盛」と有事法制や「税制改革」に反対運動をすすめているのが全商連です。女性の奮闘が目立ち、婦人部で集めた有事法制反対署名は十三万人を超えています。
「駅前に黙って座っていたおばあちゃんが『娘が目の前で焼夷(しょうい)弾で焼け死んだ。それをどうすることもできなかったんです。死んだ娘の分まで署名したい』といって署名してくれました。私はぐっときて涙が出てきてね…」
しんみりと、こう話す東京・品川民商の中川英子婦人部長。「前の戦争のときは女性に参政権がなかった。でも、いまはあります。だから、がんばれば戦争は止められます」と力を込めます。品川民商婦人部は、駅前や商店街などでにぎやかに宣伝し、二千人以上の署名を集めています。
福岡・直方市、鞍手町など一市四町からなる直鞍民商は毎月の「五日市」で宣伝・署名。昨年五月から有事法制反対の署名をはじめ、一会員当たり六・三人という六千二百人分を超えています。
同民商の松尾和範事務局長は「学習会をすると土地供出や物資の保管命令とか、土木作業に引っ張られることなど議論が盛り上がってね。年配者は『大変な法案だ。身の毛もよだつ』といい、戦争体験を語って署名を集めています」と語っています。