2003年1月8日(水)「しんぶん赤旗」
小泉内閣の閣僚や与党幹部は七日、相次いで消費税引き上げを容認したり求めたりする発言をしました。これは、財界三団体首脳が前日の記者会見でそろって消費税増税の必要性を強調したことに呼応するもの。日本経団連は年頭の「提言」で、消費税増税など「経済界の考えに共鳴し行動する政治家」を企業献金などで支援するとしています。今回の閣僚発言は財界の意思に沿って“カネの力で政治をゆがめる”という小泉「改革」のいかがわしさ、国民の痛みも感じない正体を、はっきり示しています。
首相を補佐する立場の福田康夫官房長官は七日の記者会見で、財界トップの発言にふれ、「消費税(増税)は大きな税制上の課題で、わが国の財政状況や他国とのバランスも考えて、どうするのか今後、議論を大いにしないといけない。消費税の議論を妨げるものではない」とのべました。
また、税制の担当大臣である塩川正十郎財務相は同日の閣議後の記者会見で、年金の国庫負担率を引き上げる際の財源手当について、「(消費税などの)間接税をもう少し強く負担してもらう方向にいかざるを得ない」と発言。竹中平蔵金融・経済財政担当相も同日の会見で「(消費税率引き上げは)中長期的には幅広く、選択肢を限らず議論することが必要だ」との考えを示しました。
さらに、平沼赳夫経済産業相も同日の会見で、財界の消費税引き上げ発言について「示唆に富んだ提言だ」と、持ち上げました。
小泉内閣の閣僚では、すでに坂口力厚生労働相が昨年十月一日、「消費税の引き上げでお願いする案を示し、国民に議論してもらう時期にきている」と発言しています。
一方、与党自民党の麻生太郎政調会長は七日午後、党本部で記者団と懇談し、「基本的には、直間比率を見直さないといけない。(消費税の比率を増やす)広く薄く、が正しい」と発言。保守新党の二階俊博幹事長も同日、記者団に「(消費税率の引き上げは)大方の人のコンセンサスを得られつつある。(日本経団連の「提言」にいうような)毎年1%というと、極めて煩雑になる。二年ごとに2%というのも一つの方法だ」と語りました。