2007年1月22日(月)「しんぶん赤旗」

改憲を警戒 世論変化

ヤフー=反対過半数 静岡新聞=賛成激減

9条守れの運動 背景に


 安倍晋三首相が「私の内閣で憲法改正を目指す」と改憲路線を鮮明にするなか、国民世論に変化が起きています。インターネットの意識調査では「改正反対」が53%となり、静岡新聞の県民意識調査では「九条改正派」が大きく減少しました。静岡新聞は「九条の会」など九条守れの声の浸透が背景にあると指摘。九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案の早期成立を狙う安倍自公政権と、国民世論との矛盾拡大は避けられません。


 意識調査を実施したのは、インターネット事業大手の「ヤフー」。安倍首相が年頭記者会見で改憲発言したのを受けたもので、四日から十日までの一週間、サイト上で投票を受け付けました。ヤフーによれば、一つの設問には一回しか回答できません。サイト上の回答者のコメントも五千件以上。「安倍内閣での憲法改正に反対」「今、改憲すれば、自衛隊は完全に米軍の指揮下に入り、米国による身勝手な世界各地での戦争の先頭に立つことになる」などの書き込みが相次いでいます。

 静岡新聞四日付は、三年連続で行っている憲法に関する「県民意識調査」を掲載しました。「『9条改憲』慎重論強まる」の見出しで、「年々改正に慎重な姿勢が強まっている実態が浮き彫りになった」としています。

 その理由として同紙は、「県内外で改憲に慎重な九条の会が続々と誕生し、浸透しつつあるのも要因では」(佐藤博明静岡大元学長)とのコメントを紹介。九条守れの運動の広がりが背景にあると分析しています。また、改憲に積極的な安倍首相の誕生、防衛省設置、教育基本法改悪など「ナショナリズムを意識させられる一連の出来事が昨年後半、相次いだこと」も要因としています。

 自民党は改憲手続き法案を通常国会の最重要法案と位置付け、公明党とともに「五月三日までに成立を」と狙っています。民主党は政治判断を保留していますが、「法案自体に反対でまとめることは基本的にはない」(鳩山由紀夫幹事長、十九日)との態度です。

 しかし、手続き法案には世論調査も慎重意見が多数。この面でも世論との間に大きな矛盾があります。

グラフ




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