2007年1月23日(火)「しんぶん赤旗」
KBS京都
本社に2人直接雇用
業務委託契約の労働者
KBS京都(京都放送)・滋賀放送局で、業務委託契約で働く組合員二人が、KBS京都本社への直接雇用を勝ち取りました。民放労連・京都放送労働組合の団体交渉(十八日)で、会社側が「直接雇用化の方向で検討している。二月中旬には(雇用)条件を提示する」と回答しました。
同社関連会社との直接雇用を勝ち取ったAさん(本紙十六日付)につづき、同労組の奮闘が相次いで実りました。
直接雇用されるのは、Bさん(49)、Cさん(46)。音響技術で十九年間働いてきたBさんは、「KBSの要望を聞き、家が一軒建つくらいの音響機材を自費でそろえてきました。直接雇用で経済的にも安定するので家族も喜んでいます」と話します。ラジオディレクターとして十一年間働くCさんは、「担当の番組が終わるたびに『これで契約が切られるのでは』とつねに不安でした。組合の支援や視聴者の方の励ましに支えられてきました」と話します。
業務委託契約は、他の労働者と同様に働いていても、契約上は「個人事業主」や「個人請負」とされ、労働基準法も適用されません。「究極の低コストワーカー」(『週刊東洋経済』一月十三日号)といわれ、社会保険も全額自己負担です。
同労組は昨年の春闘から、「長期にわたってKBSで働き会社にも貢献している。『偽装請負』の状態を解消するべきだ」と要求してきました。
同労組の古住公義副委員長は、「厳しい経営状況にある更生会社で、今回は、本社の直接雇用だけに大きな意義があります。非正規の待遇改善だけでなく、雇用の安定を求めて力を合わせてきた組合の成果です。引き続き正社員化に向けてがんばりたい」と話します。