2007年1月25日(木)「しんぶん赤旗」

世論調査の世論誘導とは?


 〈問い〉 最近、新聞・テレビなどの世論調査は「悪質な世論誘導」になっているという人がいますが、そうなのですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 政府の「タウンミーティング」における“やらせ質問”で、悪質な世論誘導の一端がはからずも明るみにでましたが、巨大な影響力をもつメディアの中にも公正さを欠いた、世論誘導といわれても仕方のない報道が目立ち始めています。

 とくに最近は、各メディアがいっせい地方選、参院選を前に、「与党が勝つか、野党の民主党が勝つか」というキャンペーンを強めているのが特徴です。このキャンペーン自体、自民、民主両党が改憲や消費税増税で軌を一にしていることは不問にしたまま、二者択一を迫り、それ以外の声を排除するゆがんだものです。

 もっとも客観性が求められる世論調査にさえ、「悪質な世論誘導」がされていることを、先日の日本共産党全国都道府県・地区委員長会議で志位和夫委員長は、次のように批判しました。

 「今日(1月6日)、ある大手新聞が、『世論調査』なるものを発表しています。これは、『参院選「勝利期待する政党」』という見出しになっているのに、『期待する政党』の選択肢が、二つの党しかないのです。この『世論調査』では、『参院選で、自民党と民主党のどちらに勝ってほしいですか』という設問しかやっていません。ご丁寧に、この二党以外を支持すると答えた人に対しては、公明党、共産党、社民党の支持層ごとに、『自民と民主のどちらに勝ってほしいですか』と聞いて、無理やりにどちらかを答えさせている。『世論調査』とはとうていいえない、悪質な世論誘導が早くも始まっているわけです」

 こうした「二大政党」のどちらかだけに選択を迫る世論誘導型の世論調査は03年の総選挙でも目立ちました。当時、日本共産党本部には、「毎日新聞世論調査のアンケート依頼を受け、『自民、民主のどちらが良いか一つだけ答えてください』という設問に、『両方とも悪い』と答えると、調査員は『“ノーアンサーですね』といわれた」(静岡の男性)とか、「朝日新聞の世論調査をうけた。総選挙後の政権の設問で、『自民党中心の政権か、民主党中心の政権か』の二者択一を求められ、『どちらでもない』と答えると、調査員は困惑した様子だった」(東京・豊島区の男性)といった声が相次ぎ寄せられました。

 このほか、消費税率引き上げについて「年金財源に限定するならやむをえない」などの回答を用意するなど、重要な政策問題でも世論誘導をねらった調査もあり、公正さを欠く調査には批判の声をあげることが大切になっています。(喜)

 〔2007・1・25(木)〕


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp