2007年1月26日(金)「しんぶん赤旗」
貧困・格差 憲法・民主主義 「政治とカネ」
通常国会開幕
国民の願いに立った論戦を
議員団総会 志位委員長があいさつ
第百六十六通常国会が二十五日、召集されました。会期は六月二十三日までの百五十日間。安倍・自公政権の危険性ともろさが明らかになり、支持率が続落する中で、貧困・格差、憲法・平和、「政治とカネ」の問題などが大きな焦点になります。四月のいっせい地方選、七月の参院選を控え、各党ともこの全国選挙に直結する国会と位置づけて臨んでいます。安倍政権が改憲手続き法案の早期成立を狙うなか、この日は労組、市民団体などが終日、改憲反対の集会や、労働法制改悪反対、改悪教育基本法の具体化を許すななどと訴える請願行動をくり広げました。日本共産党は国会議員団総会を開き、志位和夫委員長があいさつしました。
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総会のあいさつで志位委員長は、今度の通常国会について、「国民の暮らしと日本の平和にとっても、直面するいっせい地方選、参院選にとっても、たいへん重要な国会となる。三つの大問題で、わが党ならではの論戦を大いに展開したい」とのべました。
第一は、貧困と格差を打開し、国民の暮らしを守る論戦です。
志位氏は、二〇〇七年度予算案について、庶民への負担増と社会保障切り捨て、大企業・大資産家には大減税、税金の新たな無駄遣いは拡大という「格差・貧困拡大の三悪予算」だと批判。問題点の究明と、抜本的組み替え案を提起してたたかうと強調しました。
同時に、残業代ゼロ、長時間労働を野放しにする「ホワイトカラー・エグゼンプション」導入問題について、政府・与党に完全に断念を迫るたたかいを力説。国民の暮らしの現場から貧困の実態を告発するとともに、問題の根源をつき、貧困打開と生活防衛の緊急の要求を明確にして奮闘したいとのべました。
第二は、憲法と平和・民主主義を守りぬく論戦です。
このなかで、志位氏は、安倍晋三首相が通常国会での「早期成立」を求める改憲手続き法案について、「憲法九条改悪と地続きだ。ここを徹底的に明らかにする論戦が重要だ」と指摘。同法案には、改憲案を通しやすくする不公正・非民主的な仕組みとして(1)最低投票率の規定がなく、国民の二割台の賛成でも改憲ができる(2)公務員・教育者の運動への規制をもうけている(3)有料広告が資金力のある財界や改憲推進勢力に独占される危険(4)改憲案の国民への周知、広報を改憲推進政党主導でおこなう仕組みがある―ことなどを告発しました。その上で、「自公・民主合作の悪法強行を許さないたたかいは重要課題だ」と力を込めました。
第三は「政治とカネ」をめぐる腐敗・汚職根絶のための論戦です。
志位氏は、自民、民主の垣根をこえて広がる「事務所費」問題の本質は、「政治資金規正法に反する虚偽報告の疑惑だ」と指摘し、(1)疑惑をかけられた政治家が国民の前に実態を明らかにする(2)安倍首相は閣僚の疑惑解明を責任をもって行い、首脳部に疑惑をかけられている自民、民主両党は党として自浄作用を発揮する―の二点を要求しました。
最後に志位氏は、安倍内閣の支持率が急落する一方、民主党は、まともな対抗軸を示せず、迷走していると指摘。「そのもとで無党派層が広がっていることに注目すべきだ。日本共産党の出番の情勢だ。模索する無党派層の思いにもこたえる論戦・たたかいをすすめよう」と呼びかけました。