2007年1月26日(金)「しんぶん赤旗」
「イラク撤退」要求署名米兵
増派発表後に急増
1204人に
【ワシントン=山崎伸治】イラクからの米軍の即時撤退を求める現役米兵の「訴え」に米兵の賛同を募る運動は、二十三日までに署名者がさらに増えて千二百四人となり、そのうち少なくとも十七人が在日米軍基地の部隊に所属する兵士であることがわかりました。
在日米軍基地では、沖縄のキャンプ・ハンセンに二人、普天間基地とキャンプ・シュワブにそれぞれ一人のほか、沖縄に五人。横田基地に五人、三沢、横須賀、岩国のそれぞれに一人、署名者がいます。
ほかにも、イラクやアフガニスタン、バーレーン、ドイツ、ベルギー、韓国などの在外基地の兵士も加わっています。
千二百四人のうち、66%が現役兵士、ほかは招集を待つ予備役となっています。イラクに派兵された経験のある兵士は59%にのぼっています。
イラク派兵部隊の主力である陸軍所属の兵士が全体の53%を占め、空軍18%、海軍17%、海兵隊10%となっています。
階級では下士官最下位の伍長(陸軍、海兵隊)が三百七十七人と最も多く、少尉から大佐までの将校クラスも合計百八十二人います。
米海軍大西洋艦隊司令部のあるバージニア州ノーフォークでこの運動を支援してきた「退役軍人平和会」のトム・パランボさんは、「(ベトナム戦争のころの)徴兵制ではなく、志願制の軍隊でこれだけの現役兵士が戦争に反対しているのは非常に重要なことだ」と指摘しています。
署名者の数は、運動開始を発表した昨年十月末から今月十五日の記者会見までで千三十一人でした。その後わずか一週間で百七十人も増えており、ブッシュ大統領が十日に対イラク新政策で米軍増派を発表したことへの批判が高まるなかで、運動がさらに広がっていることがうかがえます。