2007年1月26日(金)「しんぶん赤旗」
イラク増派 米議会で反対
上院委が決議案可決
【ワシントン=山崎伸治】米上院外交委員会は二十四日、イラクへの米軍増派に反対する決議案を賛成一二、反対九で可決しました。本会議での採決は来週に予定されています。同決議案は法的拘束力はないものの、共和党有力議員も提案に加わっており、ブッシュ大統領の政治的な孤立をいっそう際立たせるものといえます。
決議案は民主党のバイデン外交委員長、レビン軍事委員長、共和党のヘーゲル議員が提出しました。
二十四日の委員会でヘーゲル氏は、共和党の同僚議員に対し「二万二千人もの米国民をあのつらい所に送る前に、自分たちがやっていることをはっきり自覚すべきではないか」と激しい口調で詰め寄り、決議案に賛成するよう求めました。
同氏以外、共和党からの賛成者はいませんでしたが、ルーガー前外交委員長は「ブッシュ大統領の計画が成功するかどうか、私には自信がない」と発言。マーコウスキー議員も「現時点で(ブッシュ提案が)最も有効な策かどうかわからない」と述べるなど、増派には異論が相次ぎました。
決議案は米軍の撤退や予算凍結を求めていませんが、「イラクにおける米軍駐留を拡大することで、イラクで軍事的関与を深めることは米国の国益とはならない」と指摘。治安維持などの任務を速やかにイラク側に移譲するよう求めています。