2007年1月28日(日)「しんぶん赤旗」
イラン工作員殺害を許可
米大統領、対応を転換
【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ米大統領は二十六日、記者団に対し、米軍がイラク国内のイラン工作員を殺害することを許可したと認めました。同日付の米紙ワシントン・ポストが、この政策について報じていました。
ブッシュ大統領は「イラクに駐留している米軍部隊に害を与えようとしたり、われわれの目標達成を妨害したりする者がいれば、これを阻止するのは理にかなっている」と語り、同紙の報道を確認しました。
ブッシュ氏は「イランとの問題は外交的に解決できると信じる」と発言。米国がイランに戦争を拡大しようとしているとの「想定は不正確だ」と反論しました。しかし、ブッシュ政権はイランに対する軍事的圧力を強めており、それへの懸念が米内外で強まっています。
ワシントン・ポストは、イランの中東地域での影響力を弱めるとともに、核開発計画を放棄させることを狙った新たな戦略の一環だと伝えていました。同紙は、米軍が過去一年以上にわたり、イラン工作員と目される人物数十人を秘密裏に拘束し、数日後には釈放してきたとしています。
新方針はイランとの衝突を避ける従来の政策を転換するもの。イランの情報機関員のほか、精鋭部隊の革命防衛隊員の拘束、殺害が可能になりました。
同日、記者会見したゲーツ国防長官も、同報道を確認。「イラクでわれわれの兵士を殺そうとするなら、標的とみなされると考えなくてはならない」と語りました。