厚労相進退めぐり国会緊迫

共産党抗議し退席

　安倍晋三首相は三十一日の参院本会議で、柳沢伯夫厚生労働相が「女性は産む機械」と発言した問題について「柳沢氏も深刻に反省している。国民の立場に立った厚生労働行政を進めることで信頼を得られるようにしたい」として改めて辞任の必要性を否定しました。しかし、与党内でも辞任論が強まっており、柳沢厚労相の進退をめぐって国会は緊迫した局面を迎えています。

　日本共産党の志位和夫委員長は同日、塩崎恭久官房長官に面会し、衆院予算委員会で二〇〇六年度補正予算案の審議開始前までに罷免の決断をするよう求めました。

　一方、民主、社民、国民新の三党は柳沢厚労相が辞任、罷免されない限り、同日午後の衆院予算委での補正予算案の提案理由説明に応じない方針を確認。午後に開かれた予算委理事会に民主、社民、国民新は欠席しました。

　日本共産党は理事会に出席し、改めて柳沢厚労相の罷免を要求するとともに、「他の野党が出席していない不正常な事態のもとで予算委を開くべきではない」（佐々木憲昭議員）と主張。しかし、与党側は「柳沢氏は謝罪している」などとして一方的に開会し、提案理由説明を行ったものです。佐々木議員は予算委員長に「開会すべきではない」と厳しく抗議し、予算委を退席しました。

　参院では予算委での補正予算案の提案理由説明は見送られました。