2007年2月9日(金)「しんぶん赤旗」
CO2削減 自動車会社に義務化
欧州委員会法案作成へ
【ベルリン=中村美弥子】欧州連合の行政機関の欧州委員会は七日、欧州内で乗用車を販売するメーカーに対して、二〇一二年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を現在の水準から25%削減することを義務付ける方針を発表しました。今年末までに法案としてまとめ、欧州議会に提出する予定です。
この方針は地球温暖化対策の一環で、日本や韓国の自動車メーカーも対象となります。欧州委によると、現在、自動車のCO2排出量は走行距離一キロ当たり百六十グラムですが、一二年までに新車の排出量を百三十グラムに削減することを求めています。その上で、バイオ燃料の利用やタイヤ、エアコン、ギアボックスなどの改良によって、最終的に百二十グラムにまでするよう求めています。
欧州の自動車メーカーは〇八年までに、日韓のメーカーは〇九年までにそれぞれCO2排出量を一九九五年の水準から25%削減する目標を自主的に設定。しかし、実際は半分の12・4%しか達成されていません。
ディマス欧州委員(環境担当)は当初、エンジンの技術開発を念頭に、百二十グラムに削減することを提案しました。バローゾ欧州委員長も同意していました。しかし、欧州自動車工業会(ACEA)は、開発費用が巨額となり、大きな負担になると反発。複数のメーカーを抱えるドイツのメルケル首相も難色を示しました。
欧州委は方針の発表を二週間延期して、対立する意見を調整。最終的に、タイヤや燃料を扱う企業にも負担を求めることで一定の妥協を図りました。