2007年2月9日(金)「しんぶん赤旗」
初期段階の措置必要
再開6カ国協議で一致
【北京=菊池敏也】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議が八日午後、北京の釣魚台国賓館で約一カ月半ぶりに再開しました。今回の協議は、二〇〇五年九月の共同声明を履行する「初期段階の措置」についての合意が目標で、議長国・中国は三日程度での早期合意を目指しています。
日本の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は全体会合で、初期段階の措置として、北朝鮮による寧辺の核関連施設の活動停止と封印、国際原子力機関(IAEA)による検証・監視の受け入れが必要と述べました。さらに「日朝関係で実質的進展があれば、日本は経済、エネルギー支援を含む分野で積極的役割を果たす用意がある」と表明しました。
韓国の千英宇朝鮮半島平和交渉本部長は、六カ国協議参加国は全体会合で共同声明履行に向けた初期段階の必要性で一致したと表明。また協議筋は、各国が作業部会設置の必要性で一致したことを明らかにしました。
これに先立ち、議長を務める中国の武大偉外務次官は開幕式で、「これまでの二回の協議と多様な二国間の接触を基礎として、今回の協議が共同声明を履行するスタートとなり、朝鮮半島非核化の新しい起点となるよう新たな努力を払うことを心から希望する」と述べました。
北朝鮮の金桂冠外務次官は協議で、非核化に向けた「初期段階措置」を実施する「強力な意思と希望」を表明したと伝えられます。
また同次官はこの日、北京空港で協議への対応について「米国が敵視政策を放棄し、平和共存に進むかどうかを基準に判断する」と述べました。
米首席代表のヒル国務次官補は協議を前に、「前向きな措置で合意したい」と述べました。
中国外務省の秦剛報道官は一日目の協議終了後「率直で実務的な協議だった」と評価。中国は今回の協議の成果を合意文書にまとめる意向です。作業部会は、朝鮮半島非核化、エネルギー支援、米朝・日朝国交正常化などになる見込みです。
六カ国協議共同声明 二〇〇五年九月十九日に採択された六カ国協議の共同声明。▽北朝鮮の核兵器・核開発放棄▽北朝鮮と米国の国交正常化▽北朝鮮と日本の日朝平壌宣言に沿った国交正常化▽朝鮮半島の恒久的な平和体制▽北東アジア地域での安全保障協力―などが盛り込まれています。