2007年2月10日(土)「しんぶん赤旗」
6カ国協議 議長合意案で調整
【北京=菊池敏也】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議は九日、議長国・中国が八日深夜に提示した合意案の討議に入りました。九日午前、北京の釣魚台迎賓館で首席代表全体会合が開かれたのに続き、午後から米朝など二国間協議が行われ、早期合意に向けた調整作業が本格化しました。
米朝首席代表は同日昼、北京市内のホテルで昼食をとりながら二時間近く会談し、合意案について意見交換しました。
会談後ヒル米国務次官補は「合意文書をまとめる作業は難しい」と述べる一方、「慎重ながら楽観している」と発言。北朝鮮の金桂冠外務次官は「一連の問題で意見の一致を見たものもある」と述べ、一定の合意に達したことを明らかにしました。「対立点もあるので努力して打開したい」とも語りました。
両氏はそれぞれ記者団に対し、「卵からかえる前にひよこの数を数えない」との同じ表現で、慎重な姿勢を示しました。
中国が提示した合意案は、北朝鮮が、核放棄に向けた「初期段階措置」として寧辺の核関連施設五カ所の稼働を停止し、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れる一方、他の五カ国がエネルギーなどを提供すると明記。実施時期は「二カ月以内」とし、北朝鮮の措置と見返り措置を同時に進める「同時行動原則」も含まれています。
中国が提案した作業部会の設置についても、協議参加国は大筋で合意。合意案には、朝鮮半島非核化、経済・エネルギー支援、北東アジアの安全保障、米朝関係、日朝関係の五つの部会の設置が明記される見通しです。