2007年2月14日(水)「しんぶん赤旗」
米海兵隊、パラシュート訓練強行
沖縄・北部 住民らが抗議
沖縄本島北部の東海岸一帯で十三日、パラシュート降下や上陸訓練など、米軍の大規模な演習が行われました。付近では、強襲揚陸艦エセックス艦載機のCH46やCH53などのヘリが頻繁に飛び交い、周辺住民は「鳥肌が立つぐらい怖い」「米軍は沖縄を植民地と思っているのか」などと怒りの声をあげました。
名護市のキャンプ・シュワブ訓練水域の大浦湾では、地元住民らが小型船やゴムボート、カヌーを繰り出して監視・抗議するなか、米海兵隊が一九九九年以来、八年ぶりにパラシュート降下訓練を強行しました。
訓練は午前九時半ごろから一時間余で七回実施され、合わせて二十二人が次々に着水。そのたびに、海面に白い水しぶきがあがりました。
落下した兵士を引き揚げる米軍のゴムボートの近くでは、住民らが「人殺しのための訓練を許さないぞ」「米軍は本国へ帰れ」とシュプレヒコールを繰り返しました。
同時刻、宜野座村松田では、水陸両用車を使った上陸訓練も行われ、十一台の車列が海岸に上陸して国道329号を横切り、演習場へ向かいました。上陸地点の国道わきの草むらでは、十数人の兵士が腹ばいになり、銃口を国道側に向けてライフル銃を構えるなど、周辺は物々しい雰囲気に包まれました。
車を止めて上陸訓練を見ていた名護市瀬嵩に住む女性(58)=ホテル従業員=は、ライフル銃を構える米兵を見て「恐ろしい」と絶句。「こんなに近くで銃を構える米兵を見たのは初めて。イラクでの戦争も続いているなかで、こういったのを見るのは本当に不気味です」
新基地建設に反対する名護市辺野古住民でつくる「命を守る会」の金城祐治代表は、「今回の訓練をはじめ、嘉手納基地でのパラシュート降下やF22戦闘機の配備など、県民をあざ笑うかのように、県内のあらゆる地域で基地が強化されている。多くの人たちにこの米軍の横暴を伝え、基地強化をはね返す運動をつくっていきたい」と語っていました。