2007年2月15日(木)「しんぶん赤旗」
「在日米軍再編」ウソとごまかし
赤嶺議員告発
住宅上空飛ばない→緊急時飛ぶ
沖縄の負担を軽減→基地を強化
日本共産党の赤嶺政賢議員は十四日の衆院予算委員会で、安倍・自公政権が「在日米軍再編」の名による沖縄での基地強化を、ウソとごまかしで進めようとしていることを告発しました。
新基地建設
赤嶺氏が初めに取り上げたのは、米海兵隊普天間基地に代わる新基地建設計画です。
政府は昨年四月、「住宅地上空を飛行しないようにする」として、V字形に配置した二本の滑走路を離陸用と着陸用に使い分ける「V字案」を名護市などに示し、合意。米側とも同案の推進を取り決めました。
ところがその後、米側から「ヘリコプターの運用というのは、その性質上予測できないもので、通常通り運用できないという状況は出てくる」(ローレス米国防副次官、昨年五月のJNNのインタビュー)など、住宅地上空の飛行があり得ることを示す発言が相次いでいます。
赤嶺氏は「米側は、民間地上空を飛ばないという約束に同意していないのではないか」とただしました。
久間章生防衛相は「(米軍の)運用上、緊急時やその他の時、集落の上を飛ぶことだってある」と表明。安倍晋三首相も住宅地上空の飛行がありうることを認めました。
赤嶺氏は、メア在沖縄米総領事が「有事に備えた訓練」などを例に、住宅地上空の飛行があり得るとしていることを挙げ、「『有事に備えた訓練』とは、米軍が毎日やっている訓練のこと。平時から市街地上空を飛ぶ運用があり得るということだ」と指摘しました。
さらに赤嶺氏は、普天間基地の米軍機による事故の一覧を示しました(地図)。事故は本島全域に及んでいます。
赤嶺氏は「基地をつくれば、沖縄全県を飛び回る。墜落事故はどこでも起こり得る。基地の『県内たらい回し』はやめるべきだ」と迫りました。
新鋭機配備
赤嶺氏が次に取り上げたのは、米軍嘉手納基地から本土の自衛隊基地への戦闘機訓練の移転計画です。
政府は、同計画について「嘉手納での負担軽減のため」と説明してきました。しかし訓練移転は嘉手納基地を自衛隊が共同使用する計画とセットのうえに、「負担軽減」とは逆行する次のような事態が続いています。
▽「ミサイル防衛」用の新型ミサイルPAC3の配備(昨年九―十月)▽伊江島への移転を合意していたはずのパラシュート降下訓練を強行(一月)▽最新鋭戦闘機F22の配備(予定)――。
赤嶺氏は「『負担軽減』どころか『基地強化』だ」と批判しました。
安倍首相は一連の事態を説明できず、「(嘉手納で)負担が重くなることはない」と繰り返すだけでした。
赤嶺氏は、こうした再編計画を進めるために政府が提出した在日米軍再編促進法案が、事業の進ちょく状況に応じて交付金を出す“出来高払い”方式になっていると指摘。「基地の苦しみは除去しようとせず、問題が起きたらカネ=再編交付金で解決しようとする。これが『美しい国』か」と批判しました。
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