2007年2月15日(木)「しんぶん赤旗」
米の単独行動を批判
中印ロ外相会談 「6カ国」結果を歓迎
【ニューデリー=豊田栄光】インド、中国、ロシアの三カ国外相会談が十四日当地で開催され、三国は「国際関係の民主化の鍵は、国家の平等、主権と領土の尊重、国際法と相互尊重の原則に基づく多極化世界の建設である」と表明しました。テロとのたたかいは「二重基準ではない方法で行うべきだ」と強調し、米国の単独行動主義と対テロ戦争を暗に批判しました。
会談に出席したのはインドのムガジー、中国の李肇星、ロシアのラブロフの三外相。会談では、三カ国協力が特定の国の利益に敵対するものでないことを再確認、三外相ともに、多国間外交を強力に進めていくことを強調しました。
会談後発表された「共同コミュニケ」では、三カ国自らを「国際的な影響力が大きくなってきている国々」と位置づけ、「(三カ国は)世界の平和と安全保障、安定に対して本質的で積極的な貢献ができる」との認識で一致しました。
会談後の記者会見でロシアのラブロフ外相は、アフガニスタン、イラク、イラン、朝鮮半島の名前を挙げ、「問題は話し合いで解決されなければならない」と述べ、「私たちは(北朝鮮核問題をめぐる)六カ国協議の結果を歓迎した」と語りました。
三カ国外相は経済協力推進でも一致。特にエネルギー、交通、保健、情報技術(IT)、バイオテクノロジーの分野での協力に力を入れていくことを確認、年内に経営者などが参加するビジネスフォーラムを開催することで一致しました。
中印ロの外相が三カ国外相会談のためだけに一堂に会するのは、二〇〇五年六月のウラジオストク会談につづき今回が二回目です。〇六年には主要国首脳会議にあわせ、サンクトペテルブルクで中印ロ首脳会談が開催されました。次回の三カ国外相会談は中国で開催されます。