2007年2月16日(金)「しんぶん赤旗」
掃討作戦を開始
米・イラク軍9万人動員
イラク発表
【カイロ=松本眞志】イラクのマリキ首相は十四日、訪問先の同国南部カルバラで、首都バグダッドでの武装勢力掃討作戦を開始したと宣言しました。イラク政府が公式に同作戦開始を認めたのは初めてです。これは、ブッシュ米政権が発表したイラク新政策に基づくもの。米軍とイラク部隊の計九万人が動員されます。
「法と秩序作戦」と名づけられた同作戦で、イラク軍・警察は道路に検問所を設置し、武装集団容疑者を捜索するとされます。マリキ首相は、「法を順守する者は保護される」と語り、特定の宗派に言及せず、武装集団一般を摘発すると主張。武器の携帯は米軍とイラク軍、登録された民間警備員以外は認められないとし、夜間外出禁止令も延長するとしています。
これに先立ちカンバル・イラク軍・警察統合司令官は十三日、武装集団や武器の侵入経路となっているとされる対シリア・イラン国境の検問所を三日間閉鎖すると発表。「この法令の違反者は反テロ法に基づいて裁かれる。市民を保護するため場所を問わず必要な措置をとる」と述べました。
この間、米軍は、イスラム教シーア派のムクタダ・サドル師の私兵マハディ軍がイラン国境に逃れたと主張。サドル師側がこれを否定するなど両者の緊張が高まっています。