2007年2月17日(土)「しんぶん赤旗」
日豪FTA交渉中止を
全国食健連 農水省に申し入れ
全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の笹渡義夫農民連事務局長らは十六日、農水省にたいし、日本農業に重大な被害を及ぼす豪州とのFTA(自由貿易協定)交渉の中止、鳥インフルエンザの被害農家への補償制度の拡充などを申し入れました。
関税撤廃を原則とする日豪FTAは全品目を交渉のテーブルにのせる予定です。豪州側は、鉱工業製品はほとんど関税ゼロのため麦や乳製品、牛肉、砂糖など農産物の関税撤廃を求めています。
これが実施されると北海道では、四品目で一兆四千億円の減収となり、九万人の失業者が出ると試算されています。
申し入れに参加した北海道農協労連の小竹政志委員長は「大変な危機感がある。一品目でも関税をゼロにしたら畑作の輪作体系が崩れる。酪農も崩壊する」と訴え。新日本婦人の会の佐藤実喜子常任委員は、輸入食品があふれる広告チラシを示し「消費者は安全・安心を求めている。自給率を下げることはやめてほしい」とのべました。
農水省の担当者は「国会決議もあり守るべきは守る。農業分野で柔軟性を発揮するのは豪州側だと思っている」と発言。食健連側は、米の自由化反対の国会決議が破られた歴史や、日本経団連が農業を犠牲にしてFTAを締結するように圧力をかけていることを指摘。「交渉中止が自給率向上の一番の担保になる」と強調しました。