2007年2月19日(月)「しんぶん赤旗」
米軍基地拡張に反対
イタリア12万人デモ
連立与党からも参加
ビチェンツァ
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【パリ=浅田信幸】米軍基地があるイタリア北部のビチェンツァで十七日、基地拡張に反対するデモが行われ、主催者発表で十二万人が参加しました。基地拡張にはプローディ首相(中道左派連合)が同意していますが、連立与党から共産主義再建党や緑の党がデモに加わりました。
現地からの報道によると、デモには平和運動の象徴である虹の旗や赤旗、緑の旗が林立し、「未来はわれわれのもの」「米テロ基地を閉鎖しよう」と書かれた横断幕も多数掲げられました。
基地拡張予定地近くに住むモーリ氏は「米兵も新しい基地も来てほしくない。彼らが行く世界中で、米国は問題を引き起こしている」とロイター通信に語りました。
米軍南欧機動部隊(SETAF)司令部が置かれたビチェンツァの基地には、イラクやアフガニスタンでの作戦に加わっている第一七三空挺(くうてい)部隊が駐留し、現在の米兵数は約二千七百人。拡張計画はこれを四千五百人規模にするものです。
プローディ首相は先月半ば、ベルルスコーニ前政権がすでに基地拡張への同意を米国側に伝え、ビチェンツァ市議会も賛成を決議したことを理由に、「拡張に反対しない」と表明しました。
同時に、昨年五月の政権交代後のイラク派遣部隊の撤退、イラクやアフガニスタンにおける米国の軍事優先方針への公然とした批判で冷却化した米国との関係を、これ以上悪化させたくないとの配慮もあると指摘されています。
これに与党の左派勢力は強く反発しています。しかし政権連合を解消する意図はなく、この日のデモに参加した共産主義再建党のジョルダーノ書記長は「(政府が)反対運動の理由を聞くよう求める。別の打開策が見いだされるだろう。反対運動と政府が直接話し合ってほしい」と述べました。