2007年2月19日(月)「しんぶん赤旗」
イラク増派反対決議案
上院また採決できず
米国
【ワシントン=山崎伸治】米上院(定数一〇〇)本会議は十七日、下院が前日採択したブッシュ政権のイラク米軍増派に反対する決議案の討議開始を求める動議を否決しました。動議への賛成票は五十六で過半数に達しましたが、規定の六十に届かなかったため、決議案の採決には至りませんでした。
上院が増派反対に関する決議案を採決できなかったのは、五日に続いて二度目。ただ、動議には共和党議員七人が賛成し、前回の二人を上回りました。終了後、民主党のリード院内総務は「上院の多数がイラクでの戦争拡大に反対している」と強調しました。
イラク増派反対決議案の審議は、上院が下院に先行したものの、五日以降は止まったままでした。十三日から下院で同決議案の審議が始まったのを受けて、増派に反対する共和党議員らが採決を要望。同日公表された各種世論調査でも、議会に決議案の採択を求める声が過半数を超えていました。
上院が土曜日に採決を行うのは、過去十年で五回と異例のことです。しかも十七日からは「大統領の日」(十九日)の休暇入り。二〇〇八年の大統領選挙に立候補を表明している議員のほとんどは、遊説日程を組んでいましたが、急きょ変更して採決に臨みました。