2007年2月19日(月)「しんぶん赤旗」
国連に声 届けよう
「自立支援」法は子どもの権利条約違反
東京で集会
「国連に障害者の声をとどけよう☆全国集会」が十八日、東京都千代田区内で開かれました。障害を持つ子どもの保護者や、通園施設の職員など、全国から約五十人が参加しました。「障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会」が主催しました。
同会の近藤直子副代表が「国際的にみても障害者自立支援法は問題のある法律。国連から日本政府に勧告を出させましょう」と開会あいさつしました。
昨年四月から障害者自立支援法が実施され、福祉サービスの利用料が定率一割負担となりました。障害児施設では、利用料・食費のほかに教育費や医療費などが実費負担となり、何倍もの負担が保護者に重くのしかかっています。
こうした事態は障害を持つ子どもの「特別なケアへの権利」などをうたった子どもの権利条約に違反するとして、権利侵害の実態を国連に届けようというこころみ。集会で出された意見などをもとに「基礎報告書」を作成し、二〇〇八年秋から行われる国連子どもの権利委員会の審査へ提出する予定です。
鹿児島県から参加した女性は、「離島では障害者自立支援法の施行後、利用者がゼロになり、休園に追い込まれた施設もあります。小さい施設ほど経営が難しい。子どもの権利条約にあるとおり、子どもの療育は無償の原則が貫かれるべきです」と話します。
会場からの発言では、障害児を持つ母親から「今まで二千二百円で利用できていたが、自立支援法後は一万円前後になってしまった。たった一割というが、本当にきつい」「障害児は国から見放されてしまったのかと思う」などの声が出されました。
また、施設の女性職員からは「療育に値札がついてしまった。保護者にまず、『お金はこれくらいかかります』と説明しなければならないのがつらい。職員と保護者が対立してしまうのでは」といった不安の声が次々にあがりました。
浅井基文さん(広島平和研究所所長)が「子どもの権利条約と障害児の権利」と題して、記念講演しました。