2007年2月20日(火)「しんぶん赤旗」
改憲許さぬ運動広げる
アーミテージ報告を批判
市田氏会見
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日本共産党の市田忠義書記局長は十九日、国会内で記者会見し、アーミテージ元米国務副長官ら米国の超党派グループが発表(十六日)した日米同盟に関する報告書(第二次アーミテージ報告)について「日本の改憲策動を後押しし、いっそう日米軍事同盟を強化する動きとして厳しく批判したい」とのべました。
市田氏は、二〇〇〇年十月に発表された「アーミテージ報告」(第一次報告)で日本が集団的自衛権を採用し、日米軍事同盟を新たな段階に引き上げるよう要求した後も、アーミテージ氏が日本に対し軍事力による地球規模の役割を果たすために憲法九条の改悪、集団的自衛権の行使を繰り返し迫ってきたことを詳しく明らかにしました。
その上で、今回の第二次報告について、第一次報告がブッシュ米政権の対日政策の「青写真」となったのと同じ政治的効果を狙っているとのべ、「憲法改悪と自衛隊の海外派兵恒久法制定などについて日本での議論が『われわれを勇気付ける』とし、その動きを促進しようとしていることが最大の特徴だ」と指摘しました。
自衛隊の速やかな海外派兵のための軍事費増大や米軍との共同作戦体制の確立などを露骨に求めていると批判し、「『憲法九条を守れ』の声を広げて、改憲を許さない国民的なたたかいのために全力をあげたい」と表明しました。
厚労相の労働者侮辱発言
人間観が問われる
市田書記局長は、柳沢伯夫厚生労働相が工場労働者を「労働時間だけが売り物」とのべた問題について、「国語力の問題ではない。柳沢厚労相の人間観の根本が問われている。女性は子どもを産む機械であり、現場で働く労働者は単なる働く機械だと、人を人として見ないという人間観が問われている」と厳しく批判しました。
問題の発言は、十五日の参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員の質問に対するもので、「工場労働というかベルトコンベヤーの仕事、もう労働時間だけが売り物ですよというようなところでなく働いていらっしゃる方々の現実に着目した労働法制を…」などとのべました。
市田氏は、国会での質疑を通して、ひきつづき柳沢厚労相の責任について追及するとともに、こういう人物を罷免しない安倍晋三首相に対する追及も強めていきたいと強調しました。
情報漏れ家宅捜索
知る権利侵す危険
市田氏は、記者団から、自衛隊一等空佐が、中国潜水艦の火災事故に関する機密を記者に「漏えい」した容疑で家宅捜索をうけた問題について問われ、「いくら防衛機密といっても、国民主権の立場にたつなら、国民には知る権利があり、情報は基本的には国民に明らかにされるべきだ」と指摘しました。
同時に、「こういうことがやられると報道機関が委縮し、ジャーナリズムの本来の役割が果たせなくなる」とのべ、国民の知る権利とともに報道の自由を侵す危険性が大きいことからも重大な問題だとのべました。