2007年2月21日(水)「しんぶん赤旗」
韓国各党が麻生発言批判
「慰安婦」問題 「先進国か疑問」
韓国の国会各党は二十日、米下院の「従軍慰安婦」決議案について「客観的事実に基づいていない」と述べた麻生外相の発言を厳しく批判する立場を相次ぎ表明しました。
与党「開かれたウリ党」の徐惠錫スポークスマンは同日午前の記者会見で「日本の政治家の厚顔無恥と歴史認識の不在をみる思いだ」と指摘。「ハルモニ(おばあさん)の憤怒に対し、謝罪でなく否定することで一貫する日本は、二十一世紀の先進国なのか疑わざるをえない」と述べ、日本政府が心からの謝罪と適切な措置をとるよう求めました。
ウリ党を離党した議員らでつくる「統合新党の会」が同日開いた全員会議でも趙培淑議員が、「全国民を憤怒させる不快であきれた妄言だ」と批判。「決議案を阻止しようという緻密(ちみつ)な計算が敷かれた発言だ」として、日本政府のロビー活動に対応した「全方位的対応戦略」に基づき対応するよう韓国政府に求めました。
野党・民主労働党は、女性委員会名の論評を発表、「ぬぐうことのできない記憶を強要された慰安婦ハルモニの願いは、日本政府の真摯(しんし)な謝罪にある。歴史的真実を謙虚に認め、反省すべきだ」と述べました。論評は、麻生氏の発言が「日本軍の関与を認め謝罪した河野談話を受け継ぐとした安倍総理の立場にも反する」と指摘、決議案阻止に向けた日本のロビー活動を批判しています。
米下院の決議案は、民主党のマイク・ホンダ議員らが提出したもの。「慰安婦」制度は「日本政府による強制的な軍事売春」だとし、首相に対し公式に謝罪するよう求めています。十五日には、外交委員会アジア・太平洋・地球環境小委員会で公聴会が行われ、三人の元「慰安婦」が証言しました。