2007年2月22日(木)「しんぶん赤旗」
ストップ温暖化
100企業など声明
各国政府にCO2削減迫る
【ワシントン=鎌塚由美】地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減は「緊急課題」だとして、世界各地の百を超える企業や団体、研究者らが二十日、各国政府に対策を求める共同声明を発表しました。二〇一二年までの削減目標を定めた京都議定書以降の、大胆な取り組みを求めています。
共同声明は、米コロンビア大学・地球研究所が創設した「気候変動についての地球円卓会議」(議長ジェフリー・サックス同研究所所長)が発表したもので、ゼネラル・エレクトリック(GE、米国)、保険大手のアリアンツ(ドイツ)、フランスの航空会社エールフランス、スウェーデンの自動車産業ボルボ、日本のリコーなどの国際的企業が署名。また宗教、環境、市民団体や研究機関のほか、広範な個人が名を連ねています。
声明は、各国政府に対し、国連気候変動枠組み条約(FCCC)がうたう温室効果ガス削減の必要性に従って「科学的な情報に基づく目標」を設定するよう呼びかけました。温暖化対策は、「新しい持続可能なエネルギー戦略の採用にかかっている」と述べ、化石燃料依存から抜け出す国際的な「統合した努力が求められる」と強調しました。
また、エネルギー効率を高め、温室効果ガス排出削減のための効率のよい技術は現存し、また開発可能であると強調。企業が低排出・排出ゼロ技術の開発・採用を行うための政府による刺激策を求めました。
声明は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による「科学的プロセスを支持する」と表明。二月初旬に発表された同報告は、「地球は確実に温暖化しており、その原因の九割は人間活動によるもの」と指摘していました。
同声明を取りまとめたジェフリー・サックス氏は、「主要な経済部門や各地域のリーダーたちが人間の作り出した気候変動を減らすための道筋に合意した。この自発性は、緊急に求められる行動のための国際的枠組みの方向性を示している」と語りました。「気候変動についての地球円卓会議」は〇四年以来、各界指導者や研究者らと議論を重ねてきたといいます。今回の共同声明は、過去三年間の慎重な議論と対話の成果だといいます。
共同声明に署名した世界アルミニウム生産トップ企業のアルコア社のベルダ会長は、「気候変動に対応するのはコストもかかるが、行動しないことによるリスクの方が大きい」と述べています。